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​日産「X-TRAIL」HV(Hybrid)車(2015年)

新車の試乗レポート(No1~10)



  • ​日産から新発売の「X-TRAIL」HV(Hybrid)車の試乗をしました。日産のSUV(Sport Utility Vehicle)は、SUVとしては、人気上位車種です。
  • 今までの日産HV車は、3.5リッターV6エンジン+モーターでどちらかと言うと高級車向けFRタイプでしたが日産では初めて国内向けに発売したFFのHV車で、「普及車種対応HV車」と言えるでしょう。
  • 最大147PSの2リッター4気筒エンジンと最大出力41PSのモーターを組み合わせた最大出力188PSのHVシステムは、フーガやスカイラインHVで定評のある「1モーター・2クラッチ方式」という日産独自のシステムを採用しています。
  • SUVは、2WDと4WDを自動で切替ることが出来ますので悪路や上り坂でも力があります。
  • 実際試乗するとSUVとしての車体の剛性、走行安定性ハンドリングのスムーズさと基本は優れています。HV化することで出足の加速性も良くなり、モーターとエンジンの切替もほとんど体感できないほどスムーズです。
  • 上り坂では、アクセルを踏み込んで3,000RPM近くまでエンジンの回転数をあげてみましたがややイメージ通りのレスポンスとは行きませんでした。これは、CVT(Continuously Variable Transmission)という無断変速機構の特性のようです。他の日産CVT車を試乗しても感じることなので日産特有の設計でしょうか?
  • 平坦な道では、SUV特有の「加速性は良いが硬い乗り心地」というイメージとは異なりロードノイズ対策も十分で快適に運転できます。
  • 販売店にガソリン車の「X-TRAIL」も置いていましたので比較のために試乗しました。スペースの関係で小型モーターにしたようで、日産の他HVに使っているモーターより最大出力も40%程小さくなっています。
  • 燃費に関しては、同車のガソリン車より26%向上(JC08)していますが、価格差約30万円と合わせてどちらを選択するかは難しいようです。なお、今回のHVシステムは、日産の他モデルにも展開されるとのことで楽しみです。

【第2弾】トヨタの水素を使う燃料電池自動車(FCV)「MIRAI」を試乗!(2015年)





トヨタの水素を使う燃料電池自動車(FCV)「MIRAI」を試乗報告(第2弾)!
疑問点を徹底的に解剖してみました。
  • 所在地近郷にあるトヨタのディーラーで試乗ができるという情報をチャッチしましたので早速行ってきました。平日でもあり試乗を待っているお客様がいなかったので試乗時間をやや長く確保できました。自分なりに疑問に思うことをじっくりチェックできました。
  • 走行性能に関しては、意地悪く急激にアクセルを踏んでもさすが駆動モーターのレスポンスも良く応答し驚くべき加速性でした。
  • エアコンの音が気になったので電源ON/OFFを行い室内騒音にどれくらい差があるかをチェックしました。走行中駆動モーターの音は殆ど気になりませんがエアコンのポンプ駆動時の騒音は気になるレベルでした。吸音材などによる騒音処理手法の問題です。
  • ブレーキを押すときの遊び(クリアランス)からメカスイッチが入るときのカチッという音があるタイミングでは、耳障りになるくらい大きくそれも安っぽい音質で興ざめでした。
  • 路面のうねりに車体全体が揺られて安定さに欠ける場合があります。タイヤにブリジストンの「エコピア」を使っていますがサスペンションとのマッチングが取れていないようです。
【トータル評価】
  • 営業さんに購入総額を試算してもらうと補助金が出ない場合、何と超高級車である「クラウン・マジェスタ」よりも高くなることが分かりました。国と県、合わせて300万円と言われている補助金なしでの普及は、難しいようです。
  • 私個人の総合評価としては、同じトヨタでは「SAI」と同格もしくは下の車格という感じ。日産では、「フーガHV車」や「スカイラインHV車」よりも下でしょう。「価格に見合った車の品格」というものさしで判断をするとFCVという話題性があってもいざ購入となると迷うでしょう。

トヨタの水素を使う燃料電池自動車(FCV)「MIRAI」を試乗!(2015年)



  • 基本は、電気自動車(CO2が出ない)で究極のクリーンカーとして国を挙げて2020年の東京オリンピックに向けて準備が進められています。2014年度内に発売したものの「試乗車」が配布されていない上に、2014年秋の「エコプロダクツ展」では「体験試乗」と言っても助手席に乗れるだけれでした。何と幸運にも地元のトヨタディーラーで試乗出来ると言う情報を入手して早速試乗してきました。試乗した率直の感想は、基本の車体剛性や足回りの良さは価格相応ですが、ガソリン車と違いモーター駆動による加速性の良さ特筆です。モーターの仕様を同じ電気自動車であるニッサン「リーフ」と比べると約1.7倍(最大154PS)で申し分ありません。「MIRAI」と言うネーミングに相応しい運転性能と乗り心地でした。
  • 実は、今回自分で運転して気になったことがありました。それは、エアコン動作時の騒音です。ロード・ノイズ、駆動モーターが発する騒音やコントロール系の異音処理は施されていますが特に赤信号で停止中のエアコン動作時の騒音(ポンプの動作音?)は気になりました。燃費に関しては、1回の充填で「650Km」となっていますが試乗車では「380Km程度」だそうで、満充填で東京から大阪までは行くのは厳しいでしょう。水素供給ステーションも神奈川県内に3、4箇所予定されていますが全国的には遅れています。さらに、今注文しても4年後の2019年にならないと手に入りません。店頭渡価格は、740万円です。現在は、国と県の補助金が300万円出るので実質440万円ですが、「4年後も補助金が出るのかは不明とのこと」(営業)。
  • ​実際試乗してみてトヨタのFCVに対する期待感も当初より少し冷めましたが、今後発売されるであろうホンダや日産にも期待したいものです。

ボルボ 「V40 シリーズ」(2015年)

  • ボルボ V40 シリーズを試乗しました。ボルボは、北欧スウェーデンの会社です。独特なエンブレムで以前から興味がありましたが今回初めての試乗でした。手ごろな大きさのV40シリーズは、車両本体価格は、320万円~370万円で輸入車にしては超高級車ではありません。
  • 最近は「衝突回避の支援機能」をクルマ選びの条件に挙げるユーザーが増えています。以前に比べ車を選定するときの重要なファクターとして「安全性」を重視されていますがまさにピッタリの車です。衝突防止システムといえばスバルの「アイサイト」が「ぶつからないクルマ?」として注目を浴び有名で、年齢的に考えられなくなってきた私にとっての今後車選びには、「安全性」が最重要項目です。最近試乗した、日産フーガ、スカイラインにもレーダーと組み合わせた独自の安全装置が標準で備わっています。
  • さて、ボルボという会社は、「軍事用車両の生産」から分厚い車体で万一事故を起こしても車内は安全というイメージを持っていますが、実際試乗してみると、どっしりした重量感もある走行性で、運転していてもこれなら「ぶつかっても大丈夫」と安心感がありました。同価格帯の他車より安全装備にかなり配慮している印象です。オート・クルージング機能で一旦セットするとアクセルから足を離しても定速の走行をして前の車と一定の車間距離を取り、赤信号では自動で止まるシステムを試してみました。始めは、大変緊張をしましたが慣れてくると便利なシステムです。特に年齢的にブレーキングのレスポンスが遅くなる世代には必須かもしれません。
  • 室内デザインは、黒基調でありお世辞にも高級車!とは言えませんし、出足の加速性も「並」ですが静かに運転を楽しむミドル世代には好まれるでしょう。歩行者の認知機能などオプションを含め10項目の安全機能が準備されていますので「安全VS価格」の点から注目すべき車という印象を持ちました。

ホンダ「レジェンドHV」(2015年)



  • ホンダ「レジェンドHV」を試乗してきました。
  • 神奈川県内では、試乗出来るところが殆どなく横浜市港南区にあるホンダ販売店まで平塚から車で1時間半掛けて出かけました。
  • 日産フーガHVにも事前に試乗をしていたので良い比較ができました。
  • 試乗しての第一印象は、とにかく加速性が良いことです。後ろの車軸に取りつけている2モーターの馬力とエンジンの組み合わせによる加速性は、驚くべきものでした。
  • 停止からの加速性は、BMWの320i 2000ディーゼルターボ車と良い勝負でしょう。
  • 加速性という点では、日産フーガHVより優れていると感じました。
  • 1点残念であったのは、走行中の車内騒音が大きいことでした。私にとっての「高級車の先入観」は、静かに運転できることでしたがロードノイズ(特にゴツゴツ音)が気になりました。この車には、逆位相の音を出して騒音を低減するオート・ノイズ・コントロール(ANC)が備わってフルタイム動作しています。
  • ANCは、低音域での効果はありますが、全体の静粛性に寄与できていません。ゴツゴツ音はやや高い音域のため低減効果がない様です。フロア床材の吸音材の処理問題ではないかと感じました。高級車の雰囲気を味わいたいという点では不満に感じました。
  • 使っているタイヤを調べると、ミシュラン製の19インチ「Pilot Sport 3:245/40R19 94Y」でした。スポーツ車仕様のタイヤのためか扁平タイヤの悪いところがそのまま出ている様でした。このことを同乗した営業の方に指摘をしたところ現在トヨタレクサスに乗っている他のお客からも同様の指摘を受けたとのことでした。
  • さらに気になったのは、車体の幅が1,890mmもあることで、国内の道路で使うには少し大きすぎる点と、バックのトランクもフーガHVより狭かったところです。
  • 「3モーター」というコントロール方法も含め革新的な技術を使っている意図が0-400mの加速だけであれば、運転する立場からすれば必要なかったのかなと思います。
  • 車全体のトータルバランスとしては、以前試乗したホンダ「アコードHV」の方が良いという印象です。
  • 車両本体価格:レジェンドが680万円でフーガが620万円です。価格差のを抜きにして総合的には「フーガ」の方に軍配を上げます。
  • レジェンドの復活を心待ちしたのですが、国内市場というよりは国外北米市場を中心に狙った車種のようでホンダNSXに繋がる技術力アピールだけに終わらないことを願います。

日産新型フーガHV(2015年)



  • 日産 新型フーガ(ビッグマイナーチェンジモデル)を試乗しました!マークは、日産から「インフィニティ」になっています。
  • 試乗車は、3,500CCV6エンジンのハイブリッド車で本体価格は620万円。試乗した印象は、「走行中の車内静かさ」「走行時の安定性」「シートに身体がすっぽり収まる安定感」と高級車の持っている要素を供えて納得の内容でした。
  • ​静かで加速性も良いため高速道路ではスピードオーバーになるのではと心配。テレビ東京でこの車に携わる日産の「匠」がいかに手をかけているのかを紹介されていました。
  • スカイラインと並べて撮ると大きさが良く分かりますが我が家の車庫には少し大きすぎるかな?

日産新型スカイラインHV(2014年)



  • 待望の日産「新型スカイラインHV車」に試乗してきました。
  • 国内では初めての「インフィニティ」エンブレム付の外観が印象的です。実物は、昨年のモーターショーや横浜の日産ギャラリーで見てきましたが実際試乗するのは今回初めて。
  • V型6気筒の3,500CCのエンジンとモ―ターによる1モーター2クラッチ方式のHV車のFR方式で、車両本体価格が450~550万円と私にとっては、「超~高級4ドアセダン」です。
  • さて、運転席に座ってみると現在乗っている「スカG250」よりも車体幅は50mm大きくなっていますが車体幅は大きくは感じず雰囲気はそのままで落ち着いた感じでした。
  • 実際に運転をすると運転性能は想像以上です。エンジンとモーターの組合せで364馬力の加速性が圧倒的に良く自分の身体の一部の様な鋭い動きに感激!「ゼロヨン」の出足は、外国車に負けないか!新機能のモーター駆動によるハンドリングも違和感は全くなし。その他安全性に関しての装備も私の年代では不可欠です。
  • スカイラインに初めて備わったANC(オート・ノイズ・コントロール)による「静粛性」効果は、市街よりは高速走行...時に発揮されると思います。
  • なお、17インチタイヤ(ノーマルタイプ)と19インチタイヤ(扁平タイプ)を乗り比べましたが、デコボコ道を走行時の安定性と全体バランスから私好みは19インチでした。
  • さあ、今年は無理としても来年の車検までに購入出来るように頑張るぞ~!

スバル・レガシーの新モデル(2014年)


  • 「エコプロダクツ2014」の会場に、スバル・レガシーの新モデルが展示されていました。説明者が「自信があるモデルなので是非とも試乗を」ということでしたので地元のディーラーに行って試乗をしてきました。4ドアセダンで4気筒2,500CCのスバル独自の水平対向エンジンを搭載したフルタイム4WDです。
  • アイドリング時に「水平対向エンジン」独特のエンジン音は殆ど感じません。私の先入観は、「水平対向エンジン」と言えば、アイドリング時のドッドッドと言う独特の音質でした。
  • 最近のモデルでは、ピストンのストロークを短くしてアイドリング時の音は、振動も含め殆ど感じないようにしています。加速時に回転数を3~4,000rpmぐらいに上げると漸く「水平対向エンジン」らしさを感じるレベルです。
  • 足まわりや車体剛性もしっかりしていて、さらにエンジンルームから室内に入り込む騒音を遮音し走行時の騒音レベルもかなり低くなっています。
  • 車本来のトータル性能バランスの良さには感心しました。けっこう辛口の私も同乗した営業の方へは、賞賛の言葉しかありませんでした。
  • スバルファンには待望の新モデルでしょうがさて、どれくらい売れるでしょうか?

BMW「320dSML」(2014年)


  • BMWの2,000CCディーゼル・ターボ車を試乗しました。モデルは、3シリーズの「320dSML」(車両本体価格520万円)ですが、BMWのディーゼル車の試乗は初めてです。日産でも「ベンツのディーゼル・エンジンを次期スカイラインに搭載か?」という噂を以前聞いていたので最近のディーゼル・エンジンがどのようなものかにも興味がありました。
  • 試乗してまず驚いたのは、運転中のアイドリング時のエンジン音の静粛さとトルクの強さです。とかくディーゼルと言うと特有な音と振動が大きいというイメージです。ボンネットを開けるとディーゼル特有の大きなエンジン音ですが、運転席には振動も伝わらないように配慮されています。
  • さらに1,750~2,750rpmという一番良く使う回転数のトルクを最大になるようにしているので出足の加速は自分の思い通りです。「スポーツ・モード」での加速は、体がシートに押し付けられます。ディーラー営業の方の御好意により高速道路で運転出来ましたが道路に吸いついているかのような高速走行の安定性や安心感のあるハンドリングには感激でした。
  • 私の次の車は、日産かBMWかは、う~ん、大いに悩むところですね。

ホンダ【Accord Hybrid】(2013年)


  • 完成度の高さに驚きです!本体の最低価格が365万円ですので価格的にはトヨタのカムリやサイのHybrid対抗の様ですが、試乗してみるとトヨタクラウンや日産フーガクラスのHybrid車と競合になりそうです。
  • 特に低音域の騒音防止に日産フーガやシーマで用いている「逆位相で音を打ち消す手法」を使っていますので大変静かで高級自動車の静粛性です。これは、ホンダでは、高級車のレジェンドに使われている手法です。試乗してあまりにも低音域が静かであったので、その後カタログを見て納得しました。音響専門家としては、「室内騒音」が真っ先に気になりました。
  • モーターのトルクが強くCVTにしては大変加速性が良いのにビックリ!出足の吹きあがりの鋭さを好む私にはたまりませんね。(その後Accord Hybridのモータトルクは、BMWの3シリーズのHV車と比較して約1.5倍あることが分かりました。加速性の体感に納得です)...
  • 始動時はモーター中心、その後あるスピードになるとエンジンが起動・停止・再起動を繰り返しますがエンジンの起動時の振動ショックがほとんど感じません。このシステム設計も良く出来ています。
  • ただ、惜しむらくは、幅:1,850mmだけは私の愛車「スカG」の1,770mmに比べてやや大きすぎる感じ。日本の道路の幅には少し大きいようです・・・。我家のカーポートに入るかも心配(買えないので余計な心配ですが・・)。今回は、以前日産フーガHybridに初めて試乗した時と同じ感動を覚えました。